会社設立趣旨
今、日本の子どもたちは、大人の皆さんが想像もできないほど過酷な状況に置かれています。
日本の子どもたちは、昔に比べたら「欲しいモノはすぐ手に入るし、親に口うるさく注意されたり叩かれたりもないし、食べるものだって、住むところだってちゃんとしているし、良い生活ができていると思うよ」という声も聞かれます。はたしてそうでしょうか?
とんでもありません。日本の子どもの貧困率は13.5%ですが、ひとり親世帯の子ども貧困率は50.8%です。ひとり親世帯の半数は「貧困」状態だということです。
『2019年国民生活基礎調査』より
「貧困問題」は「非行問題」「子ども虐待問題」と関連があると言われていますが、日本の少年非行件数は逆に下がっています。日本の子どもの多くはじっと耐えている。日本の子どもは我慢づよいとも言えます。それなりに社会の仕組みはできていますが、ここ数年続いているコロナ感染禍では、少しずつその仕組みにもひびが入ってきつつあるとも感じられます。
実際に「子ども虐待」による痛ましい死亡事件も起きています。全国の児童相談所児童虐待通告件数が、20万件を超える状況に至っています。これは大きな「社会問題」です。
この状況を打開し、何とかして日本の子どもたちに明るい未来を提供できるようにしたい。そんな思いから、私たちはこの組織を立ち上げることにしました。
遊び庭(あしびなぁ)とは
我々の会社名、遊び庭(あしびなぁ)は沖縄の方言です。意味は諸説ありますが、集まって歌や三線を楽しみ、村芝居、祭りをする場所をそう呼びます。当然、広場の意味もあります。沖縄では古くから、人々が集まり、交流する“遊ぶ庭”という意味で使われている言葉です。さらに意見交換をしたり、語り合ったりする場などの意味もあります。
正に私たちの会社設立の趣旨と一致していると思い社名を「遊び庭」(あしびなぁ)と致しました。
最後に、沖縄の島唄にも「遊び庭」という歌があります。その一説に、このような歌詞があります。
「遊び庭や でかしなむん 御万人打ち揃て 手拍子合わちょて ヒヤミカセ みるく世果報 招ちゅんど」
(遊び庭は 幸福を得るもの(所) みなさん 打ち揃い 手拍子合わせて ヒヤミカセ ミルクユガフ(豊年を招くぞ)
事業の概要
1.安心安全な場の提供
事業の中心的な対象は日本の青少年です。彼らには本来家庭がありますが、中には、そこが居場所とはなっていなかったり、家庭そのものが壊れていたりする場合があります。私たちがその代わりとなる「居場所」をともに考え、新たな道をサポートします。
ⅰ)相談(来所・電話)
青少年本人の、学校を含む生活全般について、豊富な経験をもつカウンセラー等が悩みを聞き、よりよい歩き方を一緒に考えます。
ⅱ)シェルター
犯罪被害、特に性的被害に苦しんでいる青少年のうち、公的機関の保護から外れている青少年を、本人の了解を得て保護し、安心・安全な日常を取り戻せるよう支援していきます。
ⅲ)社会復帰
一度は非行に手を染めたものの、何とか立ち直って、他の人たちと同じように社会で生きようとしている青少年が集う場を作り、語り合う中で本人の特性をみながら、よりよい活躍の場を紹介するなど、一緒に考え支援していきます。
ⅳ)保護者支援
様々な事情で苦しんでいる青少年の保護者を対象にして、子育ての悩みを聞き、よりよい親子関係が築けるよう、一緒に考え支援していきます。
ⅴ)海外支援
世界で貧困状態にある学校にいけない子ども達、さらにはストリート・チルドレンといわれる子ども達のために、海外援助事業も手掛けて行きたいと思います。
2.よりよいサポートのための研修機会
青少年が生き生きと未来社会で活躍するには、彼らを温かく受け入れ、見守り、的確にかつ粘り強く支援していく大人の存在が不可欠です。そのような人が一人でも多く青少年たちの周りに出現していくために、私たちが機能していきます。
ⅰ)相談(来所・電話)
青少年のよりよい成長のために力を注いでいる教育・福祉・司法関係の方々を対象に、青少年と関わる上での悩みを聞かせていただき、よりよい解決への道を一緒に考えます。
ⅱ)研修会・講演会
青少年に関係する仕事・ボランティア活動等に従事している方々を対象に、より正確な情報を提供するとともに、青少年へのよりよい関与の在り方を知っていただくための研修会や講演会を企画・実施していきます。
ⅲ)子育て講座
さまざまな困難に遭遇しても自己実現できる青少年に育つには、幼少期の過ごし方に大きな鍵があると言われています。子どもたちの誰もが健全な青少年に育ってもらえるよう、子育て講座や講演会を企画・実施します。